平成29年度ー2018年3月の読み聞かせ

350_Ehon_109022読み聞かせ絵本

 

平成29年度3月に小学校で「読み聞かせ」をした本のリストです。

今回よりタイトルからの直接リンクがなくなりました。 
350_Ehon_109022読み聞かせ絵本
学年 題名 その他 出版社
1 1 どろろんびょういんたいへんたいへん 苅田澄子 かとうまふみ   金の星社
1 2 教室はまちがうところだ 蒔田晋治 長谷川知子   子供の未来社
1 3 くろくんとふしぎなともだち なかやみわ     童心社
1 4 まっくろネリノ ヘルガ・ガルラー   矢川澄子(訳) 偕成社
1 4 ね、ぼくのともだちになって! エリック・カール     偕成社
2 1 わたしがノーベルしょうをとったわけ ナカオマサトシ ドーリー   フレーベル館
2 1 ユキコちゃんのしかえし 星新一 ひがしちから   偕成社
2 2 北風のくれたテーブルかけ 川崎大治 桜井誠   童心社
2 3 おてんとうさまがみてますよ 山本省三 日隈みさき   PHP研究所
2 4 ヘルシーせんたいダイズレンジャー やぎたみこ     講談社
3 1 りょうりをしてはいけないなべ  シゲタサヤカ     講談社
3 2 これ、もっていき 村上しいこ 伊藤秀男   講談社
3 3 かたあしだちょうのエルフ おのきがく     ポプラ社
3 4 はるのおとがきこえるよ マリオン・デーン・バウアー ジョン・シェリー   ブロンズ新社
3 4 ふたりはともだち《はるがきた》 アーノルド・ローベル   三木卓(訳) 文化出版局
4 1 おかえし 村山桂子 織茂恭子   福音館書店
4 2 ガスこうじょうききいっぱつ シゲリカツヒコ     ポプラ社
4 3 パンのおうさまとシチューパン えぐちりか     小学館
4 4 いえのなかのかみさま もとしたいづみ 早川純子   光村教育図書
4 4 こなものがっこう 塚本やすし     フレーベル館
5 1 おかんとおとん 平田昌広 平田景   大日本図書
5 2 わすれられないおくりもの スーザン・バーレイ   小川仁央(訳) 評論社
5 3 いとしの犬ハチ  いもとようこ     講談社
5 4 なべぶぎょういっけんらくちゃく 穂高順也 亀澤裕也   あかね書房
6 1 生きる 谷川俊太郎 岡本よしろう   福音館書店
6 2 ええところ くすのきしげのり ふるしょうようこ   学研
6 2 PRAY FOR JAPAN     prayforjapan.jp(編集) 講談社
6 3 むしばいっかのおひっこし にしもとやすこ     講談社
ひまわり   ころちゃんはだんごむし 高家博成 仲川道子   童心社

 

Twitterでの続き

今日読み聞かせに行ってきた。 2回休んで3ヶ月ぶりなので久々だった。 もしかしたら最期の読み聞かせになるかもしれないので参加を決めた。 でも卒業する自分の息子のクラスじゃ無いんだよね。(笑) 3年生。1、2年生ほど子ども子どもしてなくて、そろそろ大人への変化が出始める頃(と思ってる)

選んだ本は『かたあしだちょうのエルフ』。 そう、先日ちょっと触れたあの本だ。 あれ以来ちょっと気になって、本屋で見掛けたので(古いのにちゃんと置いてある!)手にして読み直してみた。 あ~、たしかにこれだ、この内容だ。 大人になったので、あの時ほどこわくない。

読み聞かせ用に図書館から5冊ほど借りてきたけど、結局選んだのは『かたあしだちょうのエルフ』だった。 他にも読んでみたい本はあったのだが、やはり最後になる可能性を考えると自分が一番影響を受けた本にしようと思った。

昨日6年生の息子に、借りてきた本を並べて「知ってるのある?」と訊いたら、「これ知ってる!」と指差したのが『かたあしだちょうのエルフ』だった。 「教科書に載ってた?」「ううん」と首を横に振る。 習ってないのに知ってる!? 何だかわからないけど、今でも有名らしい。

今日も読み始める前に訊いてみたら、クラスの半分くらいの子が手を挙げた。 スゴイぞ、エルフ!(笑) でも教科書では無いんだよね。

読み聞かせの時間は10分。 昨日、事前に読んで測ったタイムは8分くらい。 でもちょっと速読みになってた感じなので普通に読むと時間がオーバーしてしまう可能性がある。 なので今日は早めにクラス入りした。

最近あまり大きな声を出していないこともあり、声がちゃんと出るか心配だったが、なんとか大丈夫だったようだ。 ライオンの鳴き声が小さかったら臨場感が無いもんね。

読むのに必死で、読んでる最中は全然子どもたちの顔を見ることはできなかったけれど、なんとなく気配から真剣に聞いてくれていたように思う。(たぶん) 時間がちょっと余ったので、著者のおのきがくさんのあとがきも読むことにした。

おのきさんは1枚の写真、「アフリカの草原 中央に屹立したバオバブの大樹と雲だけの単調な風景」を見て「頭の中で小型映写機がチカチカまわりはじめ」一瞬で『かたあしだちょうのエルフ』の話ができあがったそうです。 ただそれを実際の本の形にするまでは8ヶ月も掛かったとのこと。

『かたあしだちょうのエルフ』は文字通り「かたあし」になってしまう「だちょう」のお話で、自分は「かたあし」というのが子供心に「こわい」「(自分と違う異質なもので)気持ち悪い」といった感情が先行してしまっていた。

余談だが、当時「かたあし」といえば、キャンディ・キャンディの「スザナ・マーロウ」がすぐに頭に浮かぶが、「テリィ」との三角関係を子供心に「なんとかならないのか」と気をもんだものである。 ※私は「男」です。(笑)

今ネットで『かたあしだちょうのエルフ』を検索してみると、けっこうトラウマになったという人が多いらしい。 たしかに、エルフのした行為とその後の周りの反応の変化を考えると、ある意味それ「こそ」が「自然」なのかもしれないが、免疫の無い子どもには衝撃が強いかもしれない。

自分はけっこう昔からマンガやアニメをよく見て育ったので、ある意味その手の耐性を早くから得ておりトラウマにはならなかったようだ。 ※どちらかと言うと「かたあし」の方がキツイ。 当時おそらく一番影響を受けていたであろう永井豪さんの作品にはその手のストーリーが多かったように思える。

原作だけに限らず、脚本家の人も子ども向けのものだからといって手を抜かず、大人向けの作品と同等に、時にはそれ以上の情熱を持って真剣に脚本を書いていた、というのを以前読んだことがある。 子どもは手抜きや気持ちが伴っていないものをすぐに見抜く能力を持っている。

大人も能力自体は持っているんだけれども、「社会の常識」というものがわかってくると、自然に「そういったこともあるよね」とか「あの状況では仕方ない」などと誰に言われるともなく納得し、フォローする傾向にある。

それは決して大人が子どもに比べて「悪い」とか「心が汚れている」、「純真無垢じゃない」とかではなく、ただ単に「厳しい」現実に直面し、それと何とか折り合いをつけて生きていくための術なのではないだろうか。

トラウマになった子どもたちは、「エルフ(自分を投影したもの)はいいことをしたのに、最初は感謝されても最後は忘れ去られる」ことに、「無情」や「不条理」「エゴ」を感じてやりきれなくなってしまう。

そして、時にその感情は他の動物たちに対してへの「怒り」へと変わる。 今回改めて何度も読み直して確認した。 エルフは「なみだ」を流したことはあっても、他の動物たちに対する不平不満、怒りや憎しみなどを「一度も感じたことがない」のだ!

「助けてやったのに!」とか「誰のお陰で生きていられるんだ!」「オレの足がこんなになったのは誰のせいだ!」など、自分の行為に対して見返りを求めたり、責任を押し付けたりなどしない。 ただただ、みなを助けたい、みなが無事に生きていられることが嬉しい、のだ。

エルフの生き様は、仏教の「捨身」やキリスト教の「一粒の麦」を体現している。 おのきさんはこれを子どもたちに伝えたかったのだろうか。 「無償の愛」、言うのは容易いが実行するのは難しい。 それが簡単にはできないからこそ「人間」なのかもしれない。

「それ(無償の愛)を実行しなさい」、という教訓本ではないと思う。 押し付けるのであれば、それは見返りを求める行為であり、その時点でその行為自体が「無償の愛」ではなくなり自己矛盾になってしまう。

そうではなく、 「無償の愛」というものは「起こりにくい」 →「有り難い」 →「ありがとう」 という感謝の心を持つことの大切さを伝えたかったのではないだろうか。 ※個人的な感想です。人によって受け止め方は違います。

『かたあしだちょうのエルフ』に根を詰めすぎて精力を使い果たしてしまった。 というわけでもないが、他ごとが忙しく新刊案内ができないでいた。 もう4月の新刊が待ってるよ。 どんどん溜まってくな。

 

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